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三分一湧水ー鉄瓶で名水茶 004

 11/10/2017   

八ヶ岳南麓高原湧水群と日本有数の山岳景観

山梨県の北西部。
県の最北端に位置する北杜市。

甲斐駒ケ岳・金峰山・瑞牆山。
南アルプスの山々に囲まれた、山紫水明の里だ。

ミネラルウォーターの生産量日本一。
2,500時間を超える年間平均日照時間も日本一。

清らかな水と太陽に恵まれたこの土地は、県内屈指の農業地帯である。

八ヶ岳の懐に湧く昭和の名水。

それが『三分一湧水(さんぶいちゆうすい)』だ。

この記事は、私の相棒の『ボスあられ(南部鉄器 鉄瓶)』で『日本の名水』を『沸かしお茶を淹れ』『銘菓』を楽しむ企画である。

駐車場から道路を渡り、整備された敷地に入る。

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数本の水路が流れる敷地は散歩に丁度よい広さで、ゆったりとした時間を過ごせる。

水路は浅く、子供連れで軽い水遊びができ、
木くずが敷き詰められた散策道は、お年寄りの膝にやさしい。

夏涼しく、秋には紅葉も楽しめるスポットだ。

敷地内には、昭和18年に起きた山津波で押し流されてきた巨大な石に触ることができる。

大勢が亡くなり田畑が流されるなど、惨憺たる天災。

この碑は、周期的に起こる山津波の恐ろしさを後世に伝えるものだ。

ooarenohi

緩やかな登坂を歩き敷地の奥に進むと、名水の象徴である『三角石柱』に辿り着く。

この石柱には『重要な仕掛け』と『伝説』が隠されている。

農民を治めた戦国武将の柔軟な発想

戦国の世。

大名は領土安定の礎として、米の安定収穫に躍起で水は最も欠かせない。

1日に約8,500トンもの水量を誇るこの名水は、農業用水として活用された。

湧水はまず、3.6m×4.7mの石で組まれた『分水枡』に入り、

枡の中心にある『三角石柱』によって攪拌、三方向の水口に流れ出る。

水口の幅はいずれも61cmで、均等に分水されるのだ。

『三方向へ均等に分水する理由』とは何か。

下流の村で起こる『水争い』を治めるためだ。

この分水枡を考案したとして伝説に残る人物こそ『武田信玄』であるが、

それを裏付ける文献や記録は、残念ながらどこにも残っていない。

しかし、戦国最強と謳われた彼の別の才能に目を向ければ、もしかすると伝説では終わらないのかもしれない。

彼は、戦だけでなく『治水工事』でも才能を発揮したのだ。

完成後400年以上たった現在でも、治水機能を果たす『信玄堤 (しんげんづつみ) 』。

『水をもって水を制する』

彼の治水技術は、のちに江戸時代に行われる新田開発の助けとなり、

「甲州流川除法 (こうしゅうりゅうかわよけほう) 」と呼ばれ、世に広まった。

また、治水施設の管理・維持を農民に命じる代わりに税を免除するなど『経営者』の一面を垣間見ることができる。

湧水は現在でも農業用水として利用され、利水権を持つ組合によって大切に管理されている。

信玄堤の詳しい情報
山梨県甲斐市ホームページ

三分一湧水『名水茶』を楽しんだ銘菓

湧水の水温は、年間を通じて約10℃。

隣接する『湧水館』では、分水枡の仕組み・歴史を学ぶことができ、展望台からは富士山や南アルプスの山々を拝める。

太陽光・湧水・特有の強い風など豊かな自然エネルギーを利用して、館の電力をまかなっている。

様々な体験工房(予約制)に、採れたて野菜が並び、『そば処』では地元のそば粉で打ったそばが味わえる。

詳しくはこちらで確認してほしい。
北杜市観光協会

【動画】三分一湧水

下の画像をクリック頂くと動画が再生される。三分一湧水に行った気になって頂ければ幸いだ。

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【水質成分】
ph値 7.6
硬度 34
カルシウム 6.5mg/L
マグネシウム 1.8mg/L

※ 夏と冬では水質に差がある。

下記の名水情報は湧水を評価しているが、農業用水のため飲用に適さないので注意されたい。

『そば処』の脇に水汲み場があるので、そちらでのボトリングして欲しい。

【名水評価】

かたさ
とろみ
まろやかさ

あまみ
さんみ
にがみ
うまみ
しおみ

※ 最低値は『0.5』。個人的な味覚情報。

三分一湧水【名水茶】

鉄瓶で沸騰させたのち、お茶として飲んでみると、口の中やのどに『ねっとり』とからみつく感じで『とろみ』が増した印象。

『ゴクっ』とした『のど越し』が強い。

tea-shingenmochi

信玄公にまつわる伝説がある名水だから、一緒に頂く銘菓は『信玄餅』になってしまう。

三分一湧水から、甲府にある信玄餅メーカー『桔梗屋』の工場まで足を伸ばす。

『あまり知られていない』写真の『箱』をお伝えしたかったからだ。

工場見学を終えると『包装体験コーナー』がある。

参加料は『1回1名350円(税込・掲載時の価格)』で、信玄餅4個分のフィルム包装・外箱を完成させる作業が体験できる。

お土屋の定番である信玄餅8個入りは『1,240円(税込・掲載時の価格)』。

仮に『2人で包装体験』をした場合、信玄餅の個数は同じで『540円』もお得で『思い出』も残せる。

桔梗屋(甲府本館)

当日は天候に恵まれた。
信玄公に感謝申し上げたい。

tetsubin-buck-at-mt.fuji

八ヶ岳南麓高原湧水群のひとつ『女取湧水(めとりゆうすい)』が三分一湧水の近くにあるから、併せて訪れてはいかがだろうか。

山梨県公式観光情報サイト

三分一湧水

先人の知恵が学べ、自然を満喫。
『楽しめる名水』としてオススメしたい。

photo by Masahito Ichinose(Japan)


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コンテンツマーケター

プロフィール

一之瀬 公人

masahito ichinose

東京都江東区生まれ。現在は長野県南部在住。妻と息子の3人家族。

モノに対する好奇心が旺盛だったことから『MONO』で有名な雑誌の編集者となる。

広告代理店でクライアントのマーケティングを担当する。モーターショーやゲームショーのブース企画。Fからはじまるミントタブレットなど日本進出する外資企業の浸透戦略を担う。

夢だったニューヨークのクライスラービルを観るため渡米。(ゴジラとアルマゲドンで壊された)

アメリカ・カナダで働いたのち、ハトのマークのボディーソープで有名な外資系トイレタリー企業にヘッドハントされる。外資系ホテルを対象とした特殊部隊に所属。担当ホテルへの営業戦略、部隊全体のマーケティング戦略を担当。

先の経験を買われシティーホテルの支配人を任される。経営ノウハウを積みサラリーマンを卒業し独立。

これを期に、父の故郷である長野県に移住を決める。長野県で好きな地域は、松本市中心部と安曇野周辺。

結婚し長男を授かる。子育ての8割をこなし、厄年から脱却。第二の人生を本格的に歩み始める。

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