伝統的な文様には日本人の願いが込められている
鉄瓶の持ち手をつかむ時に、かかせない存在が「手ぬぐい」だ。
鉄瓶愛用者なら1つは欲しいアイテムで、個性的な「文様(柄)」は魅力的だ。
あなたも含め、大半の日本人にとって「手ぬぐい=まめしぼり(柄)」ではないだろうか。
「まめしぼり」は、鉄瓶集中メンテナンス動画でも登場したスタンダードな文様で、お祭りなどには必ず登場する馴染みの深い柄だ。
もちろん、伝統的な文様は手ぬぐいに限らず、着物・巾着など様々な日本のアイテムに使われている。
目がチカチカするかもしれないが、代表的な文様みていこう。
亀甲(きっこう)
亀の甲羅をかたどった角型の幾何学模様。甲羅の中に花菱や菊を配置したものもある。
唐草(からくさ)
つるが四方八方に伸びる様子が、繁栄や長寿を意味する生命力の象徴。
紗綾形(さやたが)
京都では綸子(りんず)と呼ばれていた。ヒンドゥ教から伝わった文様。
毛卍文(けまんもん)
獅子の「卍」のような毛を図案化したもの。太陽の象徴でもあり吉祥。
鱗紋(うろこもん)
魔よけ、厄よけによい柄とされています。
この他にも、千鳥・菊・ひょうたん・なす・麻の葉など伝統的な文様には様々な願いが込められている。
縁が縫製されていない「切りっぱなし」をあえて選ぶ
2つ目の魅力は「機能性」だ。
手ぬぐいは汗や水を拭いたり身体を洗うなど、用途的に水分を含むことが多い。
そこに多湿な日本の気候が重なれば、当然、速乾性と衛生が求められる。
①切りっぱなしの手ぬぐいは、縁に水分が溜まらず空気が行き渡り乾きやすい。
②乾きが早いから、雑菌と臭いを抑制できる。
だが「切りっぱなし」である利点は、速乾性と衛生だけではない。
「手でちぎれる」のだ。
日常、下駄や草履で行動していた日本人。
困ったことに「鼻緒がよく切れた」。そんなときに「裂きやすい手ぬぐい」は「緊急の鼻緒」に代用できる。
どれほど手ぬぐいに感謝したことだろう。「裸足で歩かなくて済む」からだ。
包帯として。あるいは添え木を固定。三角巾の代用として。手ぬぐいは現代人でも常備したいアイテムだ。
さらに、使い込まれた手ぬぐいの役目はまだまだ終わらない。
台拭きに。掃除に。と最後の最後までしっかりと働いてくれる。
手ぬぐいは「エコで機能的なアイテム」だ。
手ぬぐい棚が設けられたダイソーとセリアに急げ
私が鉄瓶用にはじめて購入した手ぬぐいがこれだ。「540円(税込)」で売られていた「少し程度の良い」ものである。
青海波(せいかいは)
末広がりで吉祥(めでたい)文様。
ひとつ手に入れると、ほかの柄が「必ず」欲しくなる。そして、複数の手ぬぐいを交代して使えば、1枚1枚を長く使うことができる。
手軽な入手元として「ダイソー」と「セリア」をオススメしたい。時期になると「手ぬぐいコーナー」が設けられるからだ。
個人的な感想だが、セリアは「繊維の密度が高く」「センスの良い柄」が手に入る。
一方のダイソーは「生地でリメイク」という情報としての付加価値を提供してくれる。
巾着袋・瓶袋・タペストリー・ティッシュカバーなど様々な「リメイク」がパッケージに記載されているのだ。
画像をクリックすると「鉄瓶用手ぬぐいの作り方」が再生される。
鉄瓶用手ぬぐいの作り方はとても簡単。あなたの参考になれば幸いだ。
【動画】鉄瓶用手ぬぐいの作り方
動画で使用したアイロン。コードレスでコンパクト。使い勝手は最高。
私がセリアとダイソーで買いあさった生地で作った手ぬぐいを紹介しよう。
あさがお/さくら(セリア)
昔話/だるま(ダイソー)
花火/金魚鉢(ダイソー)
幾何学模様(セリア)
歌舞伎/風鈴(ダイソー)
海/柴犬(セリア)
相撲/寿司(ダイソー)
月うさぎ/温泉(ダイソー)
来客ごと、季節ごとに個性を変えてみる。
文様の違う手ぬぐいが増えると、鉄瓶を使う時間がより楽しくなるはずだ。
機会があれば、ダイソーとセリアに足を運んでは如何だろうか。
photo by Masahito Ichinose(Japan)