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シビれの原因は猫背で狭まる胸郭出口
前回、
頚肩腕症候群(けいけいわんしょうこうぐん)という広範囲な『首・肩・腕の痛み』に触れた。
楽になるストレッチ動画は試して頂けただろうか。
続編の今回は、これまた『広範囲な症状』であるものの『職業柄起りえる病名』について書きたい。
ところで、あなたは『腕や手にシビれ』を感じているか。
そして、私と同様『シビれるのは片腕だけ』だろうか。
答えによって、あなたの症状は今回の記事で解決されるかもしれない。
『片方』であるならば『片腕だけを酷使している可能性』があるからだ。
もう気付かれたのではないだろうか。
あなたの『シビれの原因』は、PC操作に欠かせない『マウス』にあるのかもしれない。
そこで今回は、
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)という病名に焦点をあてる。
病名だけを見ると、マウスと無関係だと思わたかもしれない。
しかし、ほとんど同じ症状がみられることから『マウス症候群』と呼ばれることもある病名なのだ。
『胸郭出口』
鎖骨(さこつ)・肋骨(ろっこつ)・斜角筋(しゃかくきん)とのすき間のことで、
一般的に『なで肩の女性』は、ここが狭く発症しやすい。
胸郭出口が狭くなり、さらに筋肉(斜角筋など)が緊張し硬直することで神経を圧迫。
腕から手先にかけて、冷え・だるさ・シビれを引き起こす。
マウスなど、手首を不自然に固定した状態で、長時間使い続けることによる反復性ストレス障害だ。
【胸郭出口症候群の主な症状】
・日常的に肩こりがひどい。
・指先にかけて違和感やシビれ。
・首、肩に痛み・だる重さ・偏頭痛。
・筋力や握力の低下。
・長時間の同じ姿勢・特定の姿勢がつらい。
・特定姿勢で症状が出る。
・悪化すると、耳鳴り・ふらつきを覚えることもある。
軽頚腕症候群同様、MRIやレントゲンを診ても『症状に結びつく所見が見受けられない場合のほとんどで診断』される病名で、
投薬・注射・湿布による処置のみの場合が多く、根本治療にならない。
【胸郭出口症候群の主な原因】
・猫背姿勢により胸郭出口が狭くなる(原因の大半)。
・スマートフォン・パソコン操作で、顔やアゴが前に突き出している状態を続ける。
・うつ伏せでの読書。
・片肘を付いて寝っ転がるなどの姿勢。
・肩に力が入る癖がある。
・不自然な姿勢を要求される職業に従事。
骨の変形に至らない『長年の生活習慣や癖』により『構造的に身体が偏った状態』と言ってもいい。
症状を緩和、悪化させないために、歪んだ身体は日常的に矯正したいものだ。
【動画】道具不要・たった60秒・動作は3つだけ・腕のシビれが楽になるストレッチ
下記の画像をクリック頂くと、動画が再生される。
日常感じる『シビれの緩和』に是非、試して頂きたい。
胸郭出口症候群を予防する3つの対策
・『良い姿勢を保つ』こと。
・足腰の筋力をつけること。
・適度なストレッチを習慣化させること。
予防策として『良い姿勢を保つ』ことが最も重要なのだが、一体『良い姿勢』とはどうあるべきか。
ここでは『良い座り方』について考えてみたい。
下の画像。2人の男性の『座り方』はどう思われるだろうか。
image by rawpixel.com
大半の方が『良くない』と答えることだろう。
ではなぜ、良くないのか。
『良い座り方』とは、
・頭が身体の真上に。
・猫背にならず、アゴを引く。
・ひざの角度を90°に保ち、足裏は地面にピッタリ。
・椅子の高さは『身長×0.25-(0~2)cm』が理想。
そして、
『座る時』には『背骨が骨盤からまっすぐ上に保つ』ことが最も大切である。
下の画像。『上から吊るされたような』女性の姿勢はいかがだろう。
image by rawpixel.com
『分かっちゃいるけど。』だろうか。
少しでも『自覚』のあるあなたのために、本記事が『きっかけ』となりたい。
胸郭出口症候群の大半の原因は『猫背』であるし、良い姿勢を保つには『骨盤矯正』が肝心だ。
そこで、とても一般的な『2つの器具を使った』『矯正動画』も紹介する。
可能であれば『普段座っている椅子の代替』として活用されることをオススメしたい。
良い姿勢を習慣にしつつ、痛みやシビれが緩和されればこの上ないはずだからだ。
矯正器具①:バランスチェア
腰椎カーブが、弓形になってしまう従来の椅子とは違い理想のS字に。内臓を圧迫しない。
姿勢が良くなる→呼吸が楽になる→体調・精神状態改善。これが姿勢が良くなることで起こる好循環だ。
【動画】たった30秒・動作は3つだけ・バランスチェアで猫背を矯正するストレッチ
下記の画像をクリック頂くと、動画が再生される。
『猫背矯正』に是非、試して頂きたい。
矯正器具②:バランスボール
身体は右利き・左利きのように左右対称ではなく、高さや長さが微妙に違って身体を歪ませている。
バランスボールに座るには、前後左右のバランスを調整しなければならず、強制的に歪みを整えることができる。
バランスボールを選ばれる際は『自分にあったサイズ』を購入したい。身長に合ったボールサイズを記載するので、参考にされたい。
身長100cm~150cm:45cm
身長150cm~170cm:55cm
身長165cm~185cm:65cm
身長185cm以上:75cm
【動画】たった60秒・動作は3つだけ・バランスボールで骨盤を矯正するストレッチ
下記の画像をクリック頂くと、動画が再生される。
こちらも『骨盤矯正』に是非、試して頂きたい。
日常使用として、この2器具はとても優秀である。しかし、バランスチェアの動画内で触れているが『長く座ることが以外と困難』なのだ。
普段の椅子に戻すなど『切り替え』は大事。はじめは無理せずに短時間で構わない。あなたのペースでチャレンジして欲しい。
ハード面を改善するエルゴノミクスという視点
エルゴノミクス(ergonomics)という言葉はご存知だろうか。
端的に表現すれば『人間工学に基づいたデザイン』とでも言える。
自然な動きでマウスやキーボードを操作できる様にデザインされている。
また、文化や年齢・性別の違いに関係なく使えるデザインを総称して『ユニバーサル・デザイン』とも呼ばれることもある。
快適な操作。疲労を蓄積させない。
矯正だけにと止まらず『ハード自体』を、一度見直されてはいかがだろうか。
エルゴノミクスマウス
エルゴノミクスキーボード
自然に良い座り方を維持できる『バランスチェア』と『バランスボール』。
椅子というハード視点に立てば、エルゴノミクスでユニバーサルなデザインなのかもしれない。
次回は一旦、西洋医学から離れて『東洋医学』の観点から『四十肩(五十肩)』を考えてみたい。
Eye catching image by rayi christian wicaksono(Indonesia)